2024-10-31 【川辺一生 自選句】神無月(令和六年) 秋の灯や妻と作りし旅の地図 釣瓶(つるべ)落とし墓石の文字の暗さにも (日本三景、松島にて) 秋夕焼島影残る松の先 こおろぎの消えゆく声や道の闇 彼岸花雨音耳に残りけり 秋風や亡き母の手のやわらかさ てのひらに老鳥逝きし夜寒(よさむ)かな 秋雨を告げる小川の波紋かな 生きて死ぬただそれだけを草の花 生も死もさびしさのこる紅葉かな