2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧
毎日、三冊の本を持ち歩く。 朝の支度をする時、 気分で本棚から選ぶ、 その日だけの三冊。 小説、詩集、哲学、心理学・・。 意図しているわけではないけれど、 ジャンルは被らないことが多い。 その三冊を、 通勤の電車や仕事前の喫茶店、休憩の ちょっとし…
秋雨に うたれてもみじ つややかに いま少しだけ 紅(あか)をとどめて (箱根湯本にて)
ふらりと箱根に降り立った 細かい雨が地面をうち 寒気が足の底から這い上がってくる 凛とした空気を吸い込むと 心地よい冷たさが身体を吹き抜けた 温泉街を横目に雑踏を抜け さらさらと流れる早川をも越えて 老舗の蕎麦屋に足を運ぶ 昼時をとうに過ぎている…
貧しさゆえの飢えと渇き。 七人の幼い子どもたちを食べさせるため、 男はたった一片のパンを盗んだ。 貧困が背中を押したその男がいま、 獄につながれようとしている。 この男も他の者たちと同じように地べたにすわっていた。 彼には、これは恐ろしいものだ…
ずっと靄(もや)の中に佇んでいる。 そんな時期がここひと月ほど続いた。 生活に追われ、 時間に追われ、 人生を忘れているような、 自分の中にある大切なコトバを つかみ損ねているような気がしていた。 作家の若松英輔氏。 生きるということを深く見つめて…
古い付き合いの本がある。 なにかに導かれるように出逢い、 心にそっと寄り添ってくれた本。 本棚の決まった場所から いつも静かに見守ってくれている、 ふとした時にページをめくり、読み返してしまう本。 人生を共に歩んできた本。 そのいくつかをいま、手…