2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
暗闇と 静けさのなかで ねむっていたい
母は可愛らしい花が好きだった。 大きな花よりも小ぶりな花を愛でることが多かったように思う。 「思う」と、あいまいな表現になってしまうのは、生前、母に花を贈ったことが数えるほどしかなかったからだ。 今思えば、とんだ親不孝だったと思う。 形にせず…
コトバが通じない これほど哀しいことがあるのだろうか あなたと同じコトバで話したい あなたと同じコトバで愛を交わしたい たったそれだけのこと 本当にたったそれだけのこと
いま、あなたの歌声が、たしかに聴こえる 軽やかなその音色は いつまでたっても、鳴りやまぬ あなたはもう、歌になってしまった どこにだっていけるのに どこにだっていけるから こんなにも遠く こんなにも近く あなたが、聴こえる あふれる涙がこころを伝う…
初売りの 買い物袋が揺れている 手をとり 腕を組み 行き交う家族 恋人たち どの顔も晴れやかで 場違いなのは私だけ 重箱も おせちも 過去の記憶 つめたい部屋に帰れば たったひとり ほかほかのコンビニ弁当は ちっともこころをあたためやしない せめてものな…
霊感などない私には そのひとの声は聞こえない それでも霊性はこの身に宿る たしかな経験とこころを通じて そのひとのコトバは呼びかける 差し出された手のあたたかさ 古い書物のやさしいコトバ 通り過ぎた出来事 目に見えないからこそ 目に見える形で 目に…