第四人称の語り部

コトバを生きる日々/ 俳人 /【俳句てふてふ】▶︎▶︎川辺一生

【自作詩 #1 】

霊感などない私には

そのひとの声は聞こえない


それでも霊性はこの身に宿る

 

たしかな経験とこころを通じて

そのひとのコトバは呼びかける

 

差し出された手のあたたかさ

古い書物のやさしいコトバ

通り過ぎた出来事

 

目に見えないからこそ

目に見える形で

 

目に見えないからこそ

この身の内に

 

コトバはある

 

だから、私はそのひとを知っている