第四人称の語り部

コトバを生きる日々/ 俳人 /【俳句てふてふ】▶︎▶︎川辺一生

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

コトバをつむぐ

言葉はときに、単なる言葉以上の ちからを持つことがある。 大切な人の言葉にホッとして、涙があふれる。 憧れている人の言葉が、生きる糧となる。 こころに響く言葉。 人を生かす言葉。 哲学者の井筒俊彦は、そうした言葉を 「コトバ」と呼んだ。 オースト…

朝の習慣。夜の習慣。

習慣やルーティンというものを 持たずに生きてきた。 めんどくさがりが災いして 何事も続かないのだ。 そんな中、今年に入ってから 朝と夜に「書く」ことを始めた。 自分との対話が必要だった。 用意するものは、ノートとペン。 書き出す内容は決まっている…

死に至る病

デンマークの思想家セーレン・キェルケゴールによれば、人間には死に至る病がある。 絶望である。 映画『ロード・オブ・ザ・リング』は、絶望を描いた作品だ。 冥王サウロンに率いられた闇の軍勢が、平和な世界を襲う。 繰り返される戦争と虐殺。 絶望の闇が…

愛とは

カトリックの司祭で優れた神学者であった井上洋治神父は、人が大きく生まれ変わる瞬間について、こう述べている。 自分の弱さ、卑怯さ、みにくさすべてが”ゆるされている”と感じたとき、人は初めて変わる。 『わが師イエスの生涯』 こんな自分であるのに、ゆ…

母が亡くなってから1年ほど、 目覚まし時計のいらない朝が続いた。 頬を伝う涙に気がついて、 目が覚める。 それが朝の日課になった。 愛する人を失う。 愛する人のいない朝を迎える。 降り注ぐ朝の光が 重い。 家族の再生を描いたドラマ『This is us』 最愛…