第四人称の語り部

コトバを生きる日々/ 俳人 /【俳句てふてふ】▶︎▶︎川辺一生

【俳句を詠む日々 第一回】祈りを詠む

 

祈り、という営み

 

それは、ひとの本能的欲求かもしれない

近頃そう感じている

 

中尊寺金色堂阿弥陀如来坐像を

拝観した

 

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金色の阿弥陀さま

涼やかな眼差し

ふっくらとした頬

 

その包み込むような佇まいは

慈愛そのもの

 

御仏の前に

涙を流したひと

 

御仏の慈愛に

生きるちからを得たひと

 

無数の祈りが

きこえてくる

 

南無阿弥陀仏

 

御仏にすべてを委ねる

それは、すがることとは少し違うようだ

 

自分を二番にする

一番の場に、神仏を招き入れる

 

それは大いなる地平の一歩に他ならない

 

ともかくもあなた任せのとしの暮

小林一茶

 

阿弥陀如来への信心を詠んだ小林一茶の句が

こころをよぎる

 

そっと阿弥陀さまに手を合わせて祈ると、

余韻に包まれながら外へ出た

 

暮れどきの陽は、

あたたかく、まぶしかった

 

春の暮ふっくら頬の仏かな

川辺一生

 

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※ 掲句は、「俳句てふてふ」にて投稿